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News Lettter 有期契約社員の雇止めと無期転換ルールについて

今回のトピック

1.無期転換の申込み前に雇止めをすると無効になることがあります
2.途中から「更新は5年まで」というルールを作っても無効になることがあります
3.最初から「5年まで」と決めている場合の注意点
4.職種や勤務地を限定している社員の解雇について
5.能力不足を理由に解雇する場合の注意点
6.必要な対応

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1.無期転換の申込み前に雇止めをすると無効になることがあります

 

◆どういうこと?

 

有期契約を5年以上更新している社員は「無期雇用にしてください」と申し込む
権利があります。でも、その権利が発生する直前に雇止めをしてしまうと、裁判
で無効と判断されることがあります。

 

◆こんなケースがありました(グリーントラストうつのみや事件)

 

・6回も契約を更新してきた社員を、5年になる直前に雇止め
・その社員は「ずっと働けると思っていた」と主張
・裁判所は「普通の仕事をしていて、更新も形式的だったから、
雇止めするなら 整理解雇と同じように慎重にしないといけない」と判断
・会社は他の仕事への配置転換なども検討していなかったので、雇止めは無効に
なりました

 

◆ポイント

 

「5年になりそうだから雇止め」というのは、認められないことが多いです。
何度も更新している社員には「ずっと働ける」という期待があるからです。

2.途中から「更新は5年まで」というルールを作っても無効になることがあります

 

◆どういうこと?

 

今まで何度も契約更新してきた社員に対して、途中から「これからは5年までしか
更新しません」というルールを作っても、その社員の「ずっと働ける」という期待
はなくなりません。

 

◆2つのパターンがあります

 

【パターン(1):新しい契約書に「5年まで」と書いて、社員にサインしてもらった場合】

 

社員がサインしたからといって、それだけで「辞めることに同意した」とは言えません。

 

▼こんなケースがありました(博報堂事件)

 

・29回も契約更新してきた社員に「5年までのルール」を適用
・社員は契約書にサインしたけど、実は「サインしないと更新してもらえない」
という状況だった
・しかも社員は「困る」と会社に伝えたり、労働局に相談したりしていた
・裁判所は「本当に辞めたいと思っていたわけじゃない」と判断し、雇止めは
無効になりました

 

【パターン(2):就業規則で「5年まで」というルールを作った場合】

 

就業規則を変更する前から「ずっと働ける」という期待があった場合、ルール変更
だけではその期待はなくなりません。

 

◆ポイント

 

すでに何年も働いている社員には、途中からルールを作っても簡単には雇止め
できません。本人に雇止め雇止めについて説明の上、しっかり同意を得る必要が
あります。

 

3.最初から「5年まで」と決めている場合の注意点

 

◆どういうこと?

 

最初の契約のときから「最長5年です」とはっきり伝えていれば、5年で雇止め
することは基本的に問題ありません。

 

◆ただし、こんな条件が必要です(日本通運事件)

 

・契約書に明確に書いてある ・面接のときにきちんと説明している
・本人もそれを理解して契約している

 

◆逆に言うと…

 

途中で会社が「やっぱりもっと長く働いてもらえるかも」みたいな発言をしたり、
実際に5年を超えて更新したりすると、「ずっと働ける」という期待が生まれて
しまい、雇止めできなくなる可能性があります。

 

4.職種や勤務地を限定している社員の解雇について

 

◆どういうこと?

 

「この仕事だけ」「この場所だけ」と約束して採用した社員は、簡単に他の仕事や
場所に異動させることができません。

 

◆こんなケースがありました(滋賀県社会福祉協議会事件・最高裁)

 

・「技術職として採用」という約束だったのに、会社が別の仕事への配置転換を命令
・裁判所は「職種の約束があるのに、本人の同意なしに配置転換はできない」と判断
・配置転換命令は違法になりました

 

◆解雇する場合も注意が必要です

 

職種や勤務地を限定していても、解雇するときは慎重な判断が必要です。

 

▼例えば…

 

・勤務地を限定している社員でも、他の場所に異動できないか検討する必要が
あります
・高度な専門職として採用した社員の場合は、配置転換が難しいこともあります
が、その場合でも退職金の上乗せや再就職支援などの配慮が求められます

5.能力不足を理由に解雇する場合の注意点

 

◆どういうこと?

 

「仕事ができない」という理由だけで、すぐに解雇することはできません。

 

◆必要なステップ(ブルームバーグLP事件)

 

【ステップ(1):警告する】 「このままだと困る」ということをはっきり伝える必要があります

 

【ステップ(2):改善の機会を与える】
・教育や研修を行う ・配置転換を検討する
・降格なども考える

 

【ステップ(3):それでも改善しない場合】
ここまでやって初めて解雇が認められる可能性があります

 

◆例外:高度な専門職の場合

 

高い給料で即戦力として採用した専門職の場合は、教育や配置転換をしなくても
解雇が認められることがあります。ただし、きちんと警告することは必要です。

6.必要な対応

 

◆いま有期契約の社員がいる会社は…

 

□ 契約書に「最長○年」と書いてありますか?

 

□ 面接のときにきちんと説明していますか?

 

□ 何度も更新している社員はいませんか?

 

□ 職種や勤務地の約束をしている社員はいませんか?

 

◆もし雇止めや解雇を検討するなら…

 

□ 配置転換などの可能性を検討しましたか?

 

□ 能力不足の場合、警告や教育をしましたか?

 

□ 就業規則は最新の法律に合っていますか?

 

 

お困りのことがあれば、トウジョウヒューマンリソースマネジメントにご相談
ください。

 

↓↓↓厚生労働省の詳しい資料はこちらです↓↓↓

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001613904.pdf

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