News Lettter 同一労働同一賃金の罰則、メリット・デメリットについて
今回のトピック
同一労働同一賃金の罰則、メリット・デメリットについて
1.同一労働同一賃金とは?
2.違反した場合の罰則は?
3.同一労働同一賃金のメリット
4.同一労働同一賃金のデメリット
5.最後に
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1.同一労働同一賃金とは?
令和3年4月、中小事業主にも「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」が適用され、同一労働同一賃金が本格的にスタートしました。同一労働同一賃金の導入は、正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。事業主は、同一労働同一賃金ガイドラインや各裁判例を踏まえた対応が求められています。ただ、ガイドラインに記載がなかったり、あっても裁判例と微妙に考え方が異なるものがあったりと、悩みどころが多いのも事実です。
2.同一労働同一賃金に違反した場合の罰則は?
同一労働同一賃金は、あくまでも雇用形態による待遇格差を解消するためのガイドラインです。違反しても、罰則はありません。ただし、次のようなリスクが考えられます。
① 従業員の定着や採用への悪影響
公正な待遇を求めて転職する、非正規労働者が増加する可能性があります。
② 民事訴訟の可能性
従業員が同一労働同一賃金の違反を訴えて損害賠償請求を起こすこともあります。企業が敗訴することもあります。
③ 労働法違反であれば罰則あり
「性別・国籍・信条・社会的身分」で給与や待遇に差を設けることは労働基準法で禁止されています。これに該当する場合には、罰則が設けられており、刑事罰を受けるリスクがあります。
3.同一労働同一賃金のメリット
雇用形態にかかわらず、優秀な人材を正当に評価、処遇できるようになることで意欲的な従業員が増えれば、雇用形態を問わずお互いに切磋琢磨して業務に取り組むことが期待できます。また、フルタイムでは働けない優秀な人材を確保するチャンスが広がります。労働人口の減少や働き方の多様化によって、企業の人材確保は難しくなっています。育児や介護、その他多様なライフスタイルの人を採用できるようになれば、安定した人材確保が望めます。
4.同一労働同一賃金のデメリット
正社員と非正規労働者の間に不合理な待遇差のある企業が、非正規労働者の待遇を上げると、人件費が上がります。特にサービス業などの非正規労働者が多い組織の場合、人数が多いため経営への影響は多大となります。その他、就業規則や賃金規定の改定、人事評価制度、賃金決定のルール変更など、管理者や人事部門の業務が増える可能性があります。
5.最後に
まずは現状を知ることから始めてはいかがでしょうか?職務分析を行うことで、自社に不合理な待遇差があるのか否かを知ることができます。
当方では不合理な待遇差がないように設計した人事制度や賃金の評価基準の作成をお手伝いすることができます。その他、人事・労務部門への負担が増加しないように、ペーパーレスでの人事考課導入等、御社にあった制度をご提案することができます。
【下記のサイトもご参考になさってください】
・2021.3 News Letter 同一労働同一賃金について