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News Letter 協議なく事務員を過半数代表に指名し36協定が無効に!!

□ その選出は適正ですか?(せっかくの36協定が無効に!!)

1.協議なく事務員を過半数代表に指名し36協定が無効に(労働新聞より)

2.労働者代表とは?

3.労働者代表の選出方法

4.民主的な方法とは

5.最後に

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1.「36協定は無効と判断」労働新聞より

三重・津労働基準監督署は、労働者らと一切協議せず、無効な時間外労働の労使協定(いわゆる36協定)を提出して違法な長時間労働を行わせていたとして、輸送用機械器具製造業の(株)奥岡技研と同社代表取締役を労働基準法32条(労働時間)違反の疑いで津地検に書類送検した。捜査の過程で、協定書を作成した事務員に労働者代表として押印させ、届け出ていたことが発覚した。再三の是正指導にも応じず、長時間労働の改善を求める労働者からの告訴事案となっている。長時間労働を隠蔽するため、繁忙期に生じた時間外労働の割増賃金を別の月に振り替えて支払っていた。(労働新聞 2020年9月17日掲載)

 

2.労働者代表とは?

労働者代表は、労働者の代表として、使用者である会社との間で労使協定を締結する役割を果たします。労働者の過半数以上で組織された労働組合があれば、労働組合の代表が労働者代表となることができます。労働組合がない場合には、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にないもののなかから選任されたものが労働者代表となります。

 

3.労働者代表の選出方法

労働者代表は、使用者である会社の意向に基づいて選出された者であってはなりません。パートやアルバイトを含む従業員(派遣社員を除く)に対して、例えば「36協定の締結をする者」を選出することを説明して、民主的な方法で選出しなければなりません。

会社による指名や、親睦会の代表を自動的に選出する等の方法は不適切な選出となり、その者が結んだ労使協定は、労働基準監督署に届出がなされていても無効となります。ただし、親睦会の代表をしている者を正しい選出方法で選任した場合は問題ありません。

 

4.民主的な方法とは?

  • 労使協定の締結当事者となる労働者代表を決めることを告知し、立候補を募る。
  • 立候補者がいなければ、会社側が推薦することが可能です。
  • 従業員全員に何の労使協定を結ぶための労働者代表を選出しているか明確に説明し、立候補者や推薦者について告示する。
  • 過半数代表者を選出する。具体的には、

・投票による選挙や信任

・従業員の集まる場での挙手による選挙や信任

・書面の回覧による信任

・メールによる信任

・クラウドシステムによる選任サービス

  • 過半数代表者が決まったら文書で周知する。

 

5.最後に

このように労働者代表の選出の有効性は非常に重要です。会社側が指名したり、民主的な選出方法を経ずに親睦会の代表者が自動的に就任する、といったことのないように適切な選出手続きを行いましょう。労働者の過半数代表の選出が適正に行われなければ、その労働者代表と合意した労使協定は全て無効になる恐れがあるため、注意が必要です。労働基準監督署の調査においても、労働者代表が適正に選出されているかどうかについて、以前より厳しく確認を受けることが増えています。

トウジョウヒューマンリソースマネジメントでは、クラウドシステムを使用した労働者代表の選出や、労働者との協議、労使協定の締結までお手伝いさせていただいております。お気軽にご相談下さいませ。

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