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News Lettter 2025年から大きく変わる!雇用保険制度の改正ポイントついて

今回のトピック

2025年から大きく変わる!雇用保険制度の改正ポイントついて

1. 失業給付の給付制限が変わる!自己都合退職者も新ルールでスムーズに受給
2. 転職を考えている人は要注意!就業促進手当が廃止&減額
3. 高年齢雇用継続給付の給付率が15%から10%に引き下げ
4. スキルアップやリスキングを支援!教育訓練休暇給付金の創設

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1. 失業給付の給付制限が変わる!自己都合退職者も新ルールでスムーズに受給

2025年3月までの失業給付(雇用保険の基本手当)では、雇用保険の被保険者が正当な理由なく自己都合で退職した場合、失業給付の受給資格決定から7日間の待期期間後、2か月間は失業給付が支給されません(「給付制限」と呼びます。)でした。2025年4月からは、この給付制限が1か月に短縮されます。これにより、待期期間と合わせても約1か月半で失業給付の支給が開始されるようになり、より早期の生活支援が可能となっています。ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上自己都合で退職し、受給資格決定を受けた場合、給付制限は3か月となります。また、自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇(重責解雇)された場合も、給付制限は3か月となります。さらに、今回の改正では、2025年4月以降、教育訓練等を受けた(受けている)場合、給付制限が解除され、失業給付を受け取ることができるようになりました。なお、重責解雇された場合は、本取扱いの対象外となりますのでご注意ください。対象となる教育訓練には、教育訓練給付金の対象となる講座のほか、公共職業訓練などが含まれます。現行でもハローワークの指示による職業訓練受講で給付制限が解除されますが、2025年4月からは自主的な教育訓練でも給付制限が解除されるようになったことが大きな変更点といえます。

2. 転職を考えている人は要注意!就業促進手当が廃止&減額

就業促進手当とは、雇用保険からの給付の一つで、失業給付の受給資格者の早期再就職を促すための手当です。就業促進手当には、次の3つがあります。

① 再就職手当:雇用期間が1年以上の安定した職業に再就職した場合に一定の要件を満たせば支給
② 就業手当:再就職手当の対象とならない雇用期間が1年未満の職業に再就職した場合に一定の要件を満たせば支給
③ 就業促進定着手当:再就職後の賃金が離職前よりも下がっている場合に一定の要件を満たせば支給

2025年4月の改正により、3つのうち、②の就業手当が廃止となり、③の就業促進定着手当の上限が引き下げられます。具体的には、2025年3月までは、失業給付の支給残日数の30%または40%相当額を上限として就業促進定着手当が支給されていましたが、この上限が20%となります。一方で、早期の安定した再就職を実現した場合の再就職手当の給付内容には変更がなく、失業給付の支給残日数の60%または70%が一時金として支給されます。

3. 高年齢雇用継続給付の給付率が15%から10%に引き下げ

高年齢雇用継続給付とは、雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の従業員の賃金が大幅に低下した場合、賃金低下分を補うために支給される給付金です。具体的には、60歳到達時点とそれ以降の賃金を比較し、賃金が60歳到達時点の75%未満となった場合に支給されます。給付金の額は、60歳以降の賃金月額に給付率を乗じて決定されます。現行制度では、60歳到達時点の賃金と比較して賃金が61%以下に低下した場合、最も高い給付率である「15%」が適用されます。しかし、2025年4月の改正により、この最も高い給付率が「10%」に引き下げられることになりました。また、改正後は、60歳到達時点の賃金と比較して賃金が64%以下に低下した場合に、最大給付率である「10%」が適用されるようになります。

4. スキルアップやリスキングを支援!教育訓練休暇給付金の創設

2025年10月1日から「教育訓練休暇給付金」が新たに創設されます。これまでは教育訓練給付制度により、受講料の補助はされていましたが、教育訓練中の生活費を支援する制度はありませんでした。しかし教育訓練休暇給付金の創設により、従業員は仕事を辞めることなく、安心してスキルアップや学び直しに専念できる機会を得られるようになります。対象となるのは、雇用保険の被保険者で、加入期間が5年以上あり、かつ休暇開始前の2年間にみなし被保険者期間(賃金の支払の基礎となった日数が11日以上ある月)が12か月以上ある人が、教育訓練のために30日以上の無給の休暇を取得した場合です。教育訓練休暇給付の受給額は、離職した場合に支給される失業給付の額と同じとされ、受給日数は被保険者期間に応じて90日、120日、150日のいずれかとなります。この給付金を受けるためには、職業に関する教育訓練を受けることがポイントです。趣味の講座など自分の職業とは無関係な訓練では支給対象とならないので注意してください。

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