News Info

News Letter 労災保険の特別加入制度の対象拡大について

労災保険の特別加入制度の対象拡大について

【TOPICS】

□令和3年4月施行の適用対象拡大
□令和3年9月施行の適用対象拡大
□加入申請方法等
□最後に

───────────────────────────────────

1.労災保険の特別加入制度とは?

労災保険は、労働者を対象としており、労基法上の労働者に該当しない
個人事業主等は原則対象外です。ただし例外的に、業務の実態や災害の
発生状況等からみて労働者に準じて保護するにふさわしい中小事業主や
自営業者等について、特別加入を認めてきました。対象範囲は、労災保
険法および同施行規則に定められています。

 

2.令和3年4月施行の適用対象拡大

令和3年4月から、特別加入の一人親方等に「柔道整復師」、特定作業従
事者に「芸能関係作業従事者」「アニメーション制作作業従事者」が追
加されました。さらに、令和3年4月に施行された「改正高年齢者雇用安
定法」(通称:70歳就業法)では65歳から70歳まで高年齢者就業確保措
置を講じることが企業の努力義務となりました。このうち雇用以外の措
置により、70歳まで継続的に会社と業務委託契約を締結する人や、会社
が行う(または委託する)社会貢献事業に70歳まで従事する人について
も、特別加入制度の適用を認めることとしています。

 

3.令和3年9月施行の適用対象拡大

令和3年9月から、フリーランスの「自転車配達員」および「ITエンジニ
ア」が特別加入制度の適用対象に追加されます。(令和3年7月20日厚労
省令より)「自転車配達員」は近年増加傾向にあり、9万人、フリーラン
スのIT人材は約17万6000~25万6000人程度との推計があります。それぞ
れ労災リスクとして、「自転車配達員」については、配送中の自動車と
の接触事故、「ITエンジニア」は長時間のデスクワークや不規則な生活
リズムによる心筋梗塞や狭心症、腰痛、ヘルニアのほか、長時間労働の
過度なストレスによる精神障害、階段からの転倒などが適示されていま
す。

 

4.加入申請方法等

新たに追加された事業または作業の従事者が労災保険に特別加入する場
合、業種ごとに作られる特別加入団体を通じて加入申請することになり
ます。労災保険料については、加入者が希望する給付基礎日額と事業ご
との保険料率によって算定され、加入者が全額納付することになります。
また、今回特別加入制度の適用拡大の対象となる事業・作業の従事者に
ついては、以前から民事訴訟等によって「労働者性」が争われているも
のが少なからず含まれています。請負・業務委託か雇用か否かは実態を
もって判断されるものであり、労働者性が認められる場合には発注者と
称する「使用者」が労災保険の適用を行わなければならないものです。
請負・業務委託等を行ってらっしゃる企業様は、就労の実態等について、
この機会に再点検を行ってはいかがでしょうか。

厚労省の啓発パンフレットはこちら

 

5.最後に

労働保険事務組合に加入することにより、中小事業主(社長、取締役、
家族従業員)が一般従業員と同じ労災事故に関する給付が受けられる特
別加入の制度もあります。トウジョウヒューマンリソースマネジメント
では顧問契約のお客様に限り、当所を通じて労災に特別加入することが
できます。お気軽にご相談下さいませ。

THRM労災特別加入案内ページ