Column⼈事・給与制度

どのような賃金制度を選択すべきか

「人」を中心とするか、「仕事」を中心とするか

 

賃金を決める基準は、「人」を中心とするか、「仕事」を中心とするかの2つです。年齢や能力などは属人的なもので「人」を中心としたものです。職務給や職種給などは「仕事」中心の基準といえます。

どちらの要素も取り入れたハイブリッド型を選択されることもあります。

 

年功序列型賃金制度が合っている場合

 

下記の設問についてのチェックが多いほど、年功型の賃金制度が合っています。

□ 勤続年数が長くなるにつれて職務遂行の質が上がるため、入社間もない社員と2年目の社員の給与が同じなのはおかしいと思う

□ 勤続年数が長く、家族も扶養しなければいけない〇〇さんの給与の額が低いのはおかしいと思う

□ 会社内で専門知識や、経験を積むことがが必要とされる業務であり、即戦力として採用するのが難しい

□ 給与の支給水準が世間相場と比べて高くない

□ ジョブローテーションを行っていたり、職務内容が流動的で本人の努力や医師に関係なく、職務の内容が変わることがよくある

 

ジョブ型賃金制度が合っている場合

 

下記の設問についてのチェックが多いほど、ジョブ型(職務給)の賃金制度が合っています。

□ 職務において成果を上げるための能力は勤続年数の長さと関係がない

□ さほど知識や経験は必要ではなく、採用が比較的難しくない

□ 専門知識や経験は必要ではあるが、そのような知識や経験を持つ人が社会に多くいて、転職を繰り返しているため、採用は比較的難しくない

□ 職務内容が専門的であるため、ジョブローテーションを行う可能性がほとんどない

□ 給与水準が世間相場よりも高い

 

ジョブ型が近年話題になっていますが、そもそもジョブ(=職務)が固定できず、
どんな仕事でもやらなきゃいけないような、中小企業には取り入れることができません。
また、ジョブ型は職務を固定するため、もし会社にその仕事がなくなった場合には
別の職務に変更するか、転職するのが前提です。
医師や看護師などの医療職が分かりやすい事例です。
とはいえ、今の日本では会社都合で本人の同意なく給与の減額を伴う配転を行ったり、
まして解雇は実質できず、その上勤続5年で無期転換権が発生することを考えると
なかなか解決すべき課題が多い制度です。
ただ、医療職をはじめ一定の職務には向いている制度です。